「想像できたなら、それは実現したのと同じことなんだ」。
世紀の魔術師デヴィッド・カッパーフィールドは、そんなふうに言ったそうだ。
ときどき、本当に決定的なことというのは、目指すことでも実現することでもなく、「イメージを描くこと」なのではないか、という気がする。
テニスの試合中に不調に陥ると、よくわかる。
足が重かったり肩が開いてたり弱気になってたり、でも、一番やばいと思うのは、ネットに出てくる相手の脇をすり抜けるような必殺のパッシングのイメージが、浮かばないこと。
その「画」が見えない限り、ボールはネットを叩き続ける。
好調のときは、逆だ。イメージが明確にあり、身体がそれについていく。
イメージだよ。
これから一ヶ月、イメージを。
眠りに落ちる前、五分でいい。
とるべき問題を確実にとりきるイメージ。
思い切って飛ばせる、思い切って捨てられるイメージ。
本番、普段どおりに、落ち着いて、解くことだけに集中できるイメージ。
仮に、一問わからなくても、軽やかに次に進めるイメージ。
仮に、一教科の手応えが悪くても、次に引きずらないイメージ。
パニックに陥りそうなとき、一瞬の深呼吸のイメージ。「あー俺冷静」って。
120パーセントでも80パーセントでもない、100パーセントのイメージ。
僕たちの、勝利のための、イメージ。
僕にはもう見えている。
握手。笑顔。抱き合って、拳を突き上げて、空を仰いで、突き抜けるように、春。
最高の、イメージ。
そこにいるのはあなたであり、あなたであり、あなた。
「想像できたなら、それは実現したのと同じことなんだ」。
僕たちの想像の世界。
そこは、荒野のように広大な場所だ。
誰も俺たちを邪魔できないぜ。
続けて続けて続けて続けるんだ、俺たちのためのイメージを。
イマジン
2008年02月04日 箸本‘husky’竜也
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