十一月一日、雨で予定が流れて、本郷中の合唱コンクールに出かけた。
僕は月に十五枚くらいという出鱈目なペースでCDを買いまくるのだが、考えてみれば、ロックでもパンクでもブルースでもカントリーでもポップスでもない音楽を、久しぶりに聴いた。
「ふるさと」なんて中学の頃は別に何とも思わなかったけれど、いざ自分に遠い故郷ができてみると、やっぱりちょっと感慨がある。僕は山でウサギを追ったことも川で小鮒を釣ったこともないけれど、雨に風につけても、ふるさとは忘れがたい。
特に三年生にとっては、きっと思い出になるんだろうな、って感じがして。その感じが、温かかった。
一組のみんな、おめでとう。
ルミ、本当によかったね。コパカバーナ、カッコよかったよ。
レイちゃん、いつもどおり手を振りながらパタパタ走ってきてくれて、ありがとう。
タツノ、僕を見つけたときのリアクションがちょっと可愛かった。
エミコ&アヤカ、抱き合って喜ぶのが遠くに見えた。二人とも受賞おめでとう。
僕は生徒の日常に触れるのがわりと好きだ。
塾以外でみんながちゃんと生きているのを見ると、ちょっと安心する。
それに、当たり前のことなのだけれど、塾がみんなの生活のほんの一部なのだということを忘れずにいたいと思う。何ていうか、謙虚さの問題。
いつもと変わらない笑顔も、普段からは想像つかないような笑顔も、どちらでもよくて、ともかくあなたが笑っていることに、ただ、ただ。
次の火曜日にもまた会えると。
それが絶対じゃないことはちゃんとわかってる。でも、そう信じないとやってられない。
また、会える。
必ず。
そして、難しいけど、なかなかそうなれないことがちょっと悔しいけど、僕たちの場所がみんなの最高の一部であれるように。一瞬でも。そうなれるように。
そんなこんなをぼんやりと思いながら、勤労福祉会館の駐車場を出て、カーステレオを入れ、小雨の撫でるパワー・ウィンドウを開け、フラテリスの「フラット・ヘッド」をガンガンに流して、バラッバッバラーラーラーラーと歌いながら、僕は僕のロックンロールな日常に戻った。
雨が降っても曇っていても、晴れも嵐も、一瞬の笑顔に、ひとしずくの涙に、心を奪われる。
そんなふうにして過ぎてゆく小さな休日は、どうしても思い出せない旋律みたいに美しく、ちょっと切なく。
軽やかに、柔らかに、優しく、儚く、それでも、強く、強く。
歌うように、奏でるように、生きていたいと、切に願う。
バラッバッバラーラーラーラー……
小さな雨の休日
2007年11月06日 箸本‘husky’竜也
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