白いくつを買いました。5980円の特別高価なくつでもないが、その白にひかれてしまった。
小学生の時に履いていた、月星の上履きの白。
風呂場にしゃがみこみ、粉石けんをいっぱいつけた柄付きたわしを妹と特別話すこともなく、
ただ黙々とこすりつけた泡の向こうに見えた白だった。
風呂場の残り湯で一気に流したとき、小学校であったちょっと嫌な気持ちまでリフレッシュした気がする。
庭先の垣根の竹に串刺しにした上履きは、その夜、昼間の日差しのたくましさを教えてくれた。
「素敵なモノとの出会いは、新しい扉を開けてくれる。」
次の何でもない出会いに喜びを付け加えてくれる。
色を失っても優しさが残る、すそのほつれたジーンズが欲しくなった。
気長に古着屋でも回る楽しみが増えた。
11月中旬には、そのジーンズをはいて、サルスベリの樹の落ち葉をカサカサ音を発てて
踏み歩きたい気持ちが湧き上がった。
4歳のときに好きだった、テーラー小林のマサコちゃんの家の前に生えている
サルスベリの樹がいい。
勝手な妄想は、いつの間にかマフラーまで巻いて一人歩きしていた。
一昨年、暑中見舞いで、水たまりに写った虹を飛び越えるくつの絵を描いた。
Over the rainbow 虹の根元をほじると翼の生えた靴が埋まっていると教わった。
白黒の絵だったが、きっとこんなくつを描きたかったんだ。
夏期講座は、このくつを履こう。
素敵な出会いにしよう。
新しい扉を開こう。