最初、名前が読めなかった。
こんな漢字でそんな読み方をするとは思わなかった。
英語がよくできる子、でも、理科が苦手。
増田先生にはお世話になったね。
最初の定期テスト。英語が思うように取れなかった。
でも、普通の顔をしていた。
呼んで話したね。101教室の後ろの席で。
急に雄弁になった。
「せんせ、あの問題と、あの問題と、あそこも間違えて・・・・」
間違えたところをすべて覚えていた。
「悔しかったんだなあ」
その一言で、目に涙をためた。
夏期講座、秋、冬期講座。
おまえが手を抜いたことを見たことがない。
冬期講座で完全定着テスト、MVP。
みんなの拍手の中で、どうしていいか分からない顔。
いつもはバカキャラを演じていて。よく突っ込まれていて。
でも、肝心なところで自己表現がうまくできない。
感情は心の中にいっぱいあるのに、言葉として出てくるのは変なことばかり。
2月、そのことを少し話した。
また、泣いた。
3回目は、ついこの前。
「ごめんなさい」が第一声だった。
謝ることなんてない。
何を謝っているの。
お前の何が誤っているんだ。
頑張ってきただろ。
とてつもなく。
本校のみんなとともに。
その中でも、強烈に。
小学生のときから東に行きたかった、と。
Aグループで得意な英語を失敗した、と。
面接であせっちゃった、と。
なんでとれなかったんだろう、と。
でも、しょうがないよね、と。
でも、なんでとれなかったんだろう、と。
こんなんじゃ、落ちちゃうよね、と。
ディズニーランドに誘われていて、そのときには泣けないから、と。
合格発表、東に行ったほうがいいのか、と。
わたし、泣かないんだけどね。
そっか、先生の前ではなんか泣いちゃているよね、と。
言葉にすると、たったこれだけなんだけど。
必死にしぼりだすように一言ずつ、つむぎだしていた。
おまえは、失敗した。
確かに、英語はもっと取れていた。条件英作文のfromなんかは信じられない。
でも、おまえは。
失敗しても受かる力を身につけている。
受かっている。
おまえの受験番号の横には、「本校に合格」。
そう書かれているはずだ。
true true
真実であってほしい。
なぐさめでも、神頼みでもない。
ここまでがんばってきた事実が、
ここまで泣いてきた事実が、
south to east
ミナミをヒガシへ。